前置き

Windowsネットワークで、

  • @ 最新のハードウェアを利用していて
  • A 最新のWindows OS搭載している
にもかかわらず、ネットワークパフォーマンスが出ない、ということがある。WindowsのエンジニアはWindowsのチューニングには長けているが、Ethernet LANの構成まで考慮すると更に快適な環境が構築できる。今回はWindowsネットワークでのこのEthernetの部分について考察する。

今回のキーワードは、高密度スイッチングハブを利用した

  • @ 集中型のネットワークトポロジーの構成
  • A リンクアグリゲーション
である。

リンクアグリゲーションをPCサーバーに実装するには、ネットワークアダプタを複数枚挿してチームを構成する。ネットワークカードでチームを組むので「チーミング」と呼ばれる。後半(第3部)では、一般的なネットワークアダプタを利用した実装例を述べる。

第1部

この夏に仕事でお邪魔した環境では、お昼の12:00〜13:00を除いた就業時間帯の10:00〜17:30までの特定の時間帯にのみ、ネットワーク・レスポンスが遅くなった。09:00には出社してほかの方々が来るまでは、ブラウズの早いインターネットでニュースを見ていた。ほとんどの方が出社してきた10:00を迎えるとインターネットwebブラウズが遅くなる。筆者のExchangeサーバーにOutlook web accessするとIEがタイムアウトする。他の方もインターネット上に遊びに行っている12:00〜13:00の間は案外さくさくとブラウズできる。 (空いている時間・混んでいる時間 time.bmp)

インターネット上の任意のwebブラウズの遅さの原因は様々である。そのwebサーバーへのアクセスが集中しているのかもしれないし、webサーバーを設置しているサイトとインターネット(ISP)への接続回線の帯域幅が細いのかもしれない。また、利用しているISPのネットワークも混んでいる時間なのかもしれない。あるいはローカル・ネットワークとインターネットを接続している回線が細いのかもしれない。お昼休みの状況から、LANからインターネットへのアクセスがボトルネックになっているのではないようだ。

ボトルネックを探すのにまず自分の足元から、というのは定石・鉄則である。よそを疑う前にまず自分からである。そこでローカル・ネットワークの帯域が圧迫されていないか?をまず見ることにした。

ネットワーク物理トポロジーの確認

ネットワークの物理構成を見てみると、スイッチングハブのトーナメント型接続構成をしていた。(トーナメント型の図 Tournament_01.bmp)

お邪魔したのはIT産業に属する企業で、所属するエンジニアの方が構築したLANである。仕事柄、評価・検証・実験をすることが多く、エンジニアが複数のPCを使用できるように4ポートのスイッチングハブが各机に用意され、そのスイッチングハブから机の下にある8〜16ポート程度のスイッチングハブにカスケードされている。机の島は8人から10人で構成されているので、机の下の一台もしくは二台のスイッチングハブで机の島は収束している。

各机の島からサーバーやインターネット接続ルーターまでは、直接サーバー近くのスイッチングハブにカスケード接続されているケーブルもあれば、サーバーに近い隣の島のスイッチングハブにカスケードされているものもある。この方法では複数のホストで1つの物理経路(カスケード部分)の帯域を分けあってしまっている。(トーナメント型の図 Tournament_02.bmp)

サーバーやインターネット接続ルーターに近づくほど、スイッチングハブの1つのポートが提供する速度(帯域)を利用者で分けあっている。一回戦の位置にあるハブで収束するトラフィックよりも決勝戦の位置にあるハブに集中するトラフィックほうがどうやら圧倒的に多い。

構築当初はカスケード段数も少なかったのだろうと推測するが、組織もネットワークも成長するものなので、ユーザーが増えるたびにネットワークもカスケードで増殖してきたのだろう。増築していくにしたがってトーナメント型構成になっていくのは仕方のないことかもしれない。そうは言ってもそろそろ全面改築(リフォーム)をすべき時かもしれない。

方法として48ポートなどの高ポート密度のスイッチングハブを導入し、各机の島でのスイッチングハブの使用を止め、出来得る限り集中型の接続構成にして見たほうがよいのでは?と考えた。

では何故集中型なのだろうか?これはハブの仕組みに依存するからである。

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