今日の恭麿
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S社長

S社長は僕よりも1つ若い。毎晩石神井の町で飲み歩いている。朝まで飲んでいることが多いので、築地に行かないことも多い。そんなときには、高野台の業者向けの問屋(それでも市場という名前だ)で仕入れる。

社長より若い専務は夕方5時ごろから呑みはじめるが遅くとも9時には帰り寝てしまう。午前3時に起きて築地へ行くからだ。流石だ!

S社長は知ったかぶりである。いつもなんでも知っているような口ぶりである。芸能界にも知人が何人もいるそうである。かつてその業界で僕が働いていたときに知っている人ともお知り合いだそうである。僕の知人はS社長を知らないというが・・・。

なぜこのように知ったかをするかというと、世間から舐められないためらしい。そしてそれが仕事の受注や売上増加になるそうである。ふ〜ん。

彼に、
  「そこそこ規模の大きい企業だと、経営をするためだけに社長が用意される。社外から呼ばれてきたか、その企業出身かはべつとして。このような雇われ社長は、経営能力はありバイタリティもあるのに、たいてい腰が低い方が多い。高圧的な姿勢で従業員に接するということも無い。」
という話をしても理解されない。
  「その会社は、よくそれで社長が勤まるね。」
という感想である。

S社長

うちの向かいのご主人が亡くなった時のことである。国会議員ではないけれど、
  「あまり知らないような所でも、お弔いがあるときには行くようにしているんだ。」
なんて事を普段から言っていながら、S社長は来なかった。

国会議員は自分の名前を売るため、忙しくても秘書に香典を持って行かせるとかする。心の中でどう思っているかわからないけど、お付き合いが薄かったとしてもお弔いに行くという人はいる。いつも自動車のダッシュボードに、黒ネクタイと10万円が入った香典袋を用意している人もいるという。みんな自分の名前を売るためである。

あそこのおうちの息子(S社長と同級生)が高校・中学校時代に、家庭内暴力で荒れたとき、
   「親にも殴られたことはない奴を、おれのおやつが殴ったから更生した。」
と自慢げに話していた。

そんなお付き合いなのに、そこのおやじが死んだのにお弔いにも来ないなんてずいぶんな奴じゃないか?と思う。 町内会の掲示板にも張り紙が出ているのだから知らないなんてことはない。

そこのおやじさんが亡くなってから一週間、こんな話を彼の常連となっている居酒屋で愚痴った。それがどこかで伝わったのだろう、その晩、S社長から電話があった。
   「そこのおやじさんなくなったの?知らなかったんだよ。」
言っていること、やらなかったこと、言わなかったこと、やっていること、すべて口ばかりである。

S社長

S社長は口約束で契約書を結ばない。だから彼が発注側になる案件はうやむやになることがある。案件そのものが進行しないだけでなく支払いそのものがうやむやになる。
   「お金をちゃんと払うから、これをやってくれよ。」
といって、お金ではなく、飲ませておごって終わり。こんな事はよくある。

使い走りで買い物をするときも前金はない。2桁万の買い物で「それ違う!」なんてことになったらなんてこと考えると仕様を詰めない「全て任せるよ」という買い物はキケンだ。
   「毎月10万円出す。そのうち3万取っていい。つまり7万分ハードを用意して便利にしてくれ。さっそく7月から。」
といっても、10万円まだ受け取っていない。だから何もしていない。最初は立替払いなのだろうか?。そうした場合、支払ってもらえる信用は何処にある?
   「何にもしないんだね。」
と非難されても何もしないのは当然だと思う。

S社長

1998年の初夏のこと、在る日の夜19時ごろ、рェあった。
   「峰さんのところで、お客から渡されたPower Point かなんかのFileが読めないから、知恵を貸してくれないか。」
という。S社長と峰さんのデザイン関係の仕事のつながりだそうで、うまくいったら顔が立つ、貸しができる、お付き合いの密度が濃くなる、とか説明された。
   「明日時間を空けておいてくれないか。」
という。S社長の動機はおいといて、ボランティアではなく、僕に謝礼としてS社長からお金が入るという話なので引き受けることにした。日時は、この依頼が合った日の翌日夕方18時ごろということで、S社長からの連絡待ちということにした。

次の日、夕方、マシンを用意して連絡を待っていたがこない。S社長の事務所を知っているので18時半ごろ事務所に顔を出してみた。S模さんがいたが、S社長の行方、行動は知らないという。

20時半近くまで待たせてもらったが、連絡はついにこなかった。

後日、焼き鳥「いっちょ」に行くとS社長が呑んでいた。
   「どうして連絡がなかったの?。連絡をするという手はずだったろう?」
   「いやー、峰さんから連絡がなくてさ。」
だからどうしたというのだ。
   「峰さんからS社長に連絡があろうがなかろうがそれは僕には関係がない。」
S社長が僕に、
   「明日時間を空けておいてくれないか。」
と頼んできたのだ。 先方から連絡がなかった場合は、
   「今日の会合はなし。」
という連絡をするのが作法であり、礼儀であろう。 時は金なりで、只ではないのだから。
   時間給いくらかで僕が彼に常時雇用されているというのならば理解できなくもないが、僕とS社長との間に雇用関係はない。
こんなことが判らないらしい。

いまだに、謝罪の言葉はない。
つづく・・・



初出 23 DEC 1998
最終更新日 03 JAN 2005



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