今日の恭麿
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Y社長

この社長には大変困った。まず会話が出来ない。10のうち9は喋りっぱなし。だから、物理法則など自然界の法則に反していても、それを指摘することさえ出来ない。また条件指定という概念が無く、全てのことに「出来るのか?出来ないのか?」である。たぶん碁とか将棋は出来ない人だろう。論理の積み重ねというものを(本人の中では完結しているのだろうが)出来ないに見える。

いわゆる創業社長であり、まず法に抵触することも発覚しなければいいという考え方、納品できるか出来ないかを正確に検討しないでまず仕事を引き受けてしまう営業方法(当然、社でこなせないとわかると担当する人はけちょんけちょんに言われる)、人の話は聞かず自分の思い通りに動かないと満足しない我儘な人である。

この社長、跡取がいないので、実の妹の息子・つまり甥を取締マネージャにしている。こいつは父親が無く幼少のころからこの社長(小さいながらも人を雇えるほどの社長をやっていれば金持ちだ!)に育てられてきたということで、また更に伯父亡き後は社長と決まっていることもあり、小説やテレビでしかお目にかかったことが無いような、典型的なお金持ちの我儘なのである。古くは安達祐美が「同情するなら金をくれ!」といった家なき子、最近では小沢真珠大河内奈々子をいたぶったボタンと薔薇に出てくる嫌〜なお金持ちの子っていますよね?あれです!あれです!正にあれ!。この社長と甥っ子というのに出会って、
  「ホントにいるんだ〜。こんな人たちって〜」
と思いましたね。

社内で使用しているPCのソフトはほとんどが何処からかのコピー。NECのPCが使用されている小学校・中学校・高等学校・大学や各種専門学校のPCで使用されているPCデスクを作り納品している企業なので、ノープロテクトのアプリケーションを学校からコピーして持ってきてしまうのですね。コピーされたお客様側(学校側)では別に媒体がなくなるのでないから実害が無い。損害を被るのはソフトウェアメーカー。この業界に勤めるものが優勝のソフトに対してそんな扱いをしたら、めぐりめぐっていつかは自分首を閉めることになるということが判っていない。購入すると決めたものも
  「それって、プロテクト無しで他のPCにもインストールできるんだろう?なら、購入するのは一本でいい。俺が責任で一本でいい。」
とのたまう。1本100万弱(当時)するAutoDesk社のAutoCADも、
  「秋葉原の裏通りとかで、ハードウェアプロテクト(ライセンス)が入手できるそうじゃないか?行って探してきてくんねぇか?」
まで言う。
※ もちろん拒否!だから嫌われる。

各学校のPCおよび周辺機器のメンテナンスを請負ったときにも、
  「一日に何校回れるか?」
  「トラブルなくて二校ですね。」
  「ならば、月に40校は出来るな!」
  「いえ、確率として3校に1校は故障品がありましたから、それらをメーカーのサービスに出す手配で半日はつぶれます。その他様々な準備・対応で、一日2校回っても翌日は回れなくなります。週平均6校というところでしょう。複数チーム動けるならば、1チーム平均7から8校には出来るでしょう。」
  「学校なんてのは行くだけで良いんだ!そうすれば先生なんて納得するんだ!。修理なんてしなくてもいいんだ!修理は全てメーカー任せでいいんだ!」
  「もちろん修理はメーカー任せでしょうが切り分けにはそれなりの時間とスキルが必要で・・・」
  「そんなのもメーカーに任せればいいんだ!」
  「しかし行く前に障害があるかないかは判らず、行って見て動かしてはじめて・・・」
  「うんな事しなくたっていいんだ!パソコンなんてそんな壊れるものじゃないんだ。壊れたという連絡があってから行けばいいんだ!そんなやたら壊れたら五年間保守契約1000万じゃ足りないんだ!」
  「しかし週に10校回っていたら、壊れたという連絡があったときの対応をする時間も取れませんが・・・。」
  「そんときは何とかしろ!」

なんとかしろって言われたって、どうしようもないですよね。

※ 60校で1000万円、読出し書込み中のフロッピーからディスクを抜いたとか、HDDを落としたなどというお客様の使用によって生じた故障も含めて対応。なぜならば学校なんだからまともな使用が指導できるわけないでしょ、という論理。一般のお客ならば有償修理になる障害も定期保守の料金範囲内。補修部品込みの価格。中学・小学校1校あたり20台、高等学校で40台のPCがある。まるで保険契約の内容だけれど、DellやCompaqなどのメーカーが用意している法人向けの同等サービスはもっと価格が高いよね。つまり、学校向けのPCは、利用した方々が将来自分用のPCを購入するときに、学校で利用していたのと同じメーカー・機種を選択するように洗脳する囲い込みの一環でPCメーカーにとっては儲けを考えない広告宣伝費。だから定期保守料金もそれだけでは商売にはならない金額なので、メーカーも販売店もどこも損したくはないというのが本音。

Y社長

従業員が7人しかいないのに、世間には70人と称する。7人のうち4人は常時外回りだから日中は3人しかいないフロアなのに、NTTの電話回線も8本引く。そして各自の名刺には「ダイヤルイン」として別々の番号を記載する。一日に10本程度しか着信しないFAXをPBXに収容しない。アナログ回線をISDNに同番移行するなりして3回線程度にまとめ、PBXダイヤルインにすれば月々の基本使用料金含めたランニングコストが半分になるのに。導入コストに転換してランニングコストを減らす、そのうち工事費も元が取れる、という経済観が無い。「売上を!」とか言う前に支出を減らすことを考えられないものか?。使いもしないで料金を支払っている。NTTにとってはいいお客様か?
(※ 市街地では地下埋設や電信柱に吊ってある電話線の本数が足りない事が多い。だからといって20〜40回線のケーブルを吊る工事はコストがかかるということで、複数回線収容のお客様にPBXダイヤルインを勧めるのはNTTにとってもメリットがある。)

さらに、後々のことを考えないで局線申し込みをしていたから、異なる市内局番が複数存在する。PBXダイヤルインのメリットが理解できたとしても、そのメリットを50%しか享受できない。まぁ損していることを知らないのは知らぬが仏で幸せなことなのかもしれない。
(※ この企業に初めてPBX(NEC製ボタン電話システム)を導入した○塚商会は、お客様が購入を決めてくれたらランニングコストなどのメリットある提案説明をしないらしい。売りっぱなしって事ね。これも嫌だなぁ。よくこれでシステムインテグレータって言えるよね。)
つづく・・・



初出 03 DEC 1998
最終更新日 03 JAN 2005



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