今日の恭麿
HIEDA NET Corpration
 > これは変だよ  >  前提条件を忘れるな!


 
Episode 1

雇用能力開発機構の専修学校等委託訓練でPC ネットワーク基礎科講師・Webネットワーク技術者養成科講師をしたときに、
  「javascripでもこの程度は出来るよ。」
と、MCSEスキルチェック問題集70-087を作った。もっとも、2000シリーズのスキルチェック問題集はCD-ROM付きで同じ価格だったのにNT4シリーズのものはCD-ROMが付いていなかったので、自分で作ってしまおう、と考えていた時期も重なっているので、HTML講座のサンプルとしての作成が動機の全てではない。

一度作ってしまえば再利用は可能というところが電子ドキュメント、ひいてはITのいいところだ。その後様々な案件打診があるごとに「こんなん出来ます」と披露していた。

であるネットワーク系Windowsエンジニアとしてある企業にお邪魔していたときのこと。その企業はMicrosoftとのつながりが強く、多数のエンジニアを自社のエンジニアと称してMicrosoftの案件に送り込んでいた。しかし、この企業、ソフトウェア開発のノウハウはあるがネットワークは知らないというシステムインテグレーターで、プログラマの在庫(だって人を人として扱っていないんだもの)はあっても、ネットワークエンジニアはいない会社だった。でMicrosoftの案件に引っかかればということでしばらくその企業のフロアにお邪魔してWindowsネットワークのエンジニアの在庫となった。

※ どの程度ネットワークを知らないかは 月刊Windows Server World2003年一月号で、冒頭の例で取り上げている。Microsoftとつながりが強くてもこの程度だ。

で、

  • 802.1x・PKIを知っているか(経験あるか?)
  • キャプチャしたネットワークパケットが読めるか?
という案件が来たときに、
  • 一体どんな経歴書やスキルシートを送付したのか判らぬが、
  • あるいはMicrosoft側の担当者が見る目を持っていなかったのか判らぬが、
この案件に引っかからなかった。まぁ、どちらかだろう。
※ Microsoft側の担当者は元この企業に勤めていた方だそうだ。ということはネットワークを知らないプログラマ?

でまたしばらく在庫としての日々を過ごすこととなったのだが、その中で、
  「webプログラムの経験ある?」
と訊かれたので、例のMCSEスキルチェック問題集70-087を見せた。javascripだって立派なプログラムだろう?

これを作った背景・動機・目的もお話した。つまりJavaScriptで何処まで出来るか?である。するとExchangeのプログラマという人が、
  「IISのASPならば、簡単にランダムに出来る!」
と批評をはじめた。

おっしゃる通り確かにそうかも知れぬ。しかし、ASPやJavaを利用したシステムを作った話をしているのではない。あなたにお見せしたこのプログラムは、JavaScriptだけで作ったJavaScriptだけでもこれたけ出来るということをお話しているのだ。背景となる失業者の雇用対策講座には一部の人を除くと、PCの経験も無く、

  • 就職先として考えられる中小・零細企業ではwebサイトも持っていないかも知れないから、流行のHTMLが出来ますってことで失業者を脱出来るかもしれない、
という目的があるのだ。ASPの講座をしてきたのではない。

あぁ、あなたはこの程度は出来るのね、あるいは、この程度しか出来ないのね、という判定ならばまだ結構だ。

  • 同じ動きをするルーチンをファイル化して共通化し、
  • 逐次実行方のインタプリタだから順序を精査し、
  • JavaScriptの教科書とは異なる部分にスクリプトを書き、
なんていう論理的思考が一応は出来ているよ、ということがわかるだけでもいいじゃないかである。

JavaScriptならはこの程度は書けますよ、ということで見せたのである。ASPが扱えるかどうかのはなしではない。
  「ASPの経験はありますか?ASPならばこのように書くことになりますね。」
といえないものだろうか?自分がどれほど出来るか?っていう自慢をしたかったのだろうか?

いづれにしても、システムインテグレーターでありながら前提条件を忘れてしまうのは駄目だ。エンジニア・プログラマとしての才能にも疑問符だ。思考回路が論理的ではない。まぁ、 月刊Windows Server World2003年一月号で取り上げたネットワークを敷設した方はこの方だからね。

05 JAN 2005:追記

NTTの小倉さんとMCSEスキルチェック問題集70-087についてお話したときに、

  • 全ての問題ページをその数だけ用意したテンポラリページとしてメモリに準備し、
  • また前ページから呼び出すページを直接次ページにせずいったんテンポラリページとし、
  • その呼び出すテンポラリページをランダムにするかもしくは、
  • 全問題ページをテンポラリページに準備するときにランダムにすれば
起動するごとにランダムに問題を出すことが可能だ、ということを考えた。JavaScriptでもここまで出来る!


初出 15 SEP 2003
最終更新日 04 LAN 2005



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