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とてもいいことが、***BPnet スキルアップメール メンタルヘルスとパワハラ 2007-11-1*** に書いてあったので「掲載」する。

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│05│これだけは知っておきたい!ビジネスパーソンのメンタルヘルス
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第3回 メンタルヘルスとパワーハラスメント
〜誤解や偏見を払拭しなければ、メンタルヘルスは進まない〜

パワハラが行われている職場では、うつ状態の社員が増え、うつ病の罹患率が飛躍的
に高まる。上司の「心の病は、気の弱いものがなる」などの誤解は、職場を非常に
危険な状態にし、その社員の人生をも狂わしてしまう。その他、さまざまな間違った
思い込みや偏見などが社内のメンタルヘルスを阻み、推進力を低下させてしまう。
本コラムでは、パワハラの危険性と、誤解や偏見を払拭することの重要性を解説
する。

■パワハラは、うつ病を発症させる重大な危険因子

「能力がないと叱責を繰り返される」「性格を否定される」「人格を否定される」
などがあると、自信喪失や自責感情、自己卑下や将来を悲観する気持ちなどが起こり
やすくなる。これらはうつ病を発症させる危険因子でもある。

パワハラを受けた社員は、メンタル面で何らかの問題が発生する割合は8割以上と
いう調査結果もあるが、筆者が確認した職場では、パワハラを受けた4人が、全員
心の不調(多くはうつ病)を訴え、離職を余儀なくされていた。

このように、パワハラは、社員をいとも簡単にうつ病にさせる、非常に気を付けなく
てはならない危険因子という認識が必要となる。

■メンタルヘルスにおける誤解や偏見

・気合の足りない、気の弱い、心の弱い人が「心の病」にかかる。
・自分だけは「心の病」にはかからない。
・「心の病」に、薬は効かない。「心の病」は、治らない。
・メンタルヘルスは個人の問題。メンタルヘルスは、経営上あまりメリットはない。
・メンタルヘルスをいくらやっても、防ぎようがない。

など、メンタルヘルスには、さまざまな誤解や偏見がある。

しかし、以上の事柄は、すべてNO!である。

メンタルヘルスに対して消極的な人ほど、これらの誤解や偏見を持っている傾向も
あるので、対策を進める上で、まずは、このような間違った思い込みを研修などで
払拭することが重要となる。

パワハラを行っている人の多くは「自分はパワハラをしている」という自覚はなく
「部下に対して熱心に指導している優秀な上司」だと思っているケースの方が多い。

ましてや、自分の責任でうつ病になっているとは思わず、ほとんどが「気が弱いから
だ」と考えている上司の方が多い。その上の上司もパワハラを黙認したり、周りも
相手にも非があると思ってしまうこともある。これらは、すべていじめ(または
パワハラ)を助長する構図となる。

■パワハラを防止するには

ただ単に、「パワハラはよくない」「パワハラはうつ病の危険因子」「パワハラは
やめましょう」と言うだけで、何か意識が変わるのか。恐らく何も変わらない。

会社のトップが「パワハラは絶対に許さない」ことを明確に伝え、実際に行為者に
対しては、厳罰を下すことが必要になる。それと並行して研修でも次のような説明を
して「パワハラはよくない」という風潮を作り上げることが必要だ。

・パワハラを対岸の火事のように思っていないか。実は、4割の企業が「発生してい
る」「発生したことがある」と回答している。

・パワハラを平然と行っている上司に限って、「たるんでいる」「能力がない」など
が口癖になっている。部下に対して叱責を繰り返したり、怒鳴ることしか術を知らな
い上司、どちらが能力がないのか。

・その人の性格や人格を否定できるほど、パワハラを行っている人は優れているの
か。どちらの人格が劣っているのか。

・パワハラを受けた社員は、メンタル面で何らかの問題が発生する割合は8割以上。
その多くはうつ病。

・パワハラが原因でうつ病を患い自殺してしまった場合、あなたはその社員とその
家族にどのように償えるのか。

このような説明の後に、次のように付け加える。

「パワハラは相手の人権や尊厳を侵害し、精神的な苦痛を与える人権侵害そのもの
である」
「パワハラは相手を簡単にうつ病にさせてしまい、その人の人生を狂わすことに
なる」
「だから、パワハラは絶対にしてはいけない」
「だから、パワハラは絶対に許してはいけない」

ここで初めて、会社内のパワハラに対して敏感になり、自分自身に対しても自制と
自省が生まれる。ただまれに、パワハラを実践している管理者が研修に参加している
ケースにおいて、次の言葉を聞くことがある。

「少々怒鳴った程度で体調を崩す奴はうちの会社には要らない」

ほとんどの研修参加者が、「パワハラは絶対にしないぞ」と心に誓っている時に、
たった一人のこの言葉で一瞬にして総崩れになることもある。

その時には、演習をしてもらう。題して「家族への手紙」。

もしあなたが「少々怒鳴った程度で体調を崩す奴はうちの会社にはいらない」という
意識が、ほんの微かにでもあれば、次の演習を行ってみてほしい。
(10分間考えるだけの演習)

<演習「家族への手紙」>

手紙の文面を考えてください。
宛先は、あなたのパワハラ行為でうつ病にかかり自殺してしまった社員の奥様です。

あなたは、葬儀に出た時のご家族の悲しんでいる姿が忘れられません。2人の
お子様はまだ小さく、上は小学生の男の子。下は幼稚園に上がる前の女の子。
男の子は気丈にも下を向いたまま身動き一つしません。口を一文字に閉じた
その唇からは、歯を食いしばっていることが分かります。時折流れる涙をふくことも
できません。幼い女の子は、まだ様子がつかめず「お父さんなかなか起きないね」
と言います。

いよいよ出棺のとき、奥様が大きく引き伸ばした1枚の写真を棺の中に入れます。
その写真は、家族4人が楽しそうにクリスマスを過ごしている写真です。家族4人が
揃った楽しいクリスマスは、もう2度とこの家族に訪れることはありません。
奥様は、「なぜあなたが死ななくてはならないの?」と擦れる声でつぶやきます。

その奥様の言葉に対しての手紙です。

【著者紹介】
野村総合研究所グループ NRIラーニングネットワーク
産業カウンセラー 見波利幸

野村総合研究所の教育専門会社であるNRIラーニングネットワークで、
メンタルヘルス関連講座およびヒューマン・スキル関連講座の研修を
開発・実施している。
日本産業ストレス学会、日本産業カウンセラー協会などの正会員。

報道によると

安部前首相の辞め方がとてもだらしなかったことで、「やっぱりお坊ちゃんだ」とか批判が多くあったが、昨日の朝日新聞では、精神医学者が

  • あれはどう見ても「うつ病」であって、執務なんか出来ない
といううことを言っていて、
  • それを「お坊ちゃんだから・・・云々」的な言い方はまったく「うつ病」を理解していない
  • 日本では「自殺者」が「交通事故死」よりも多く、このような無理解が「うつ病」による死を生んでいる原因でもある
という内容のことを言っていた。

「うつ病」になる人は、精神や心が弱いからなるのではなく、

  • 無責任な人よりも、責任感が強すぎる人のほうがかかりやすい
のだ。

さてと・・・

「うつ病」になる人は、精神や心が弱いからなるのではなく、

  • 無責任な人よりも、責任感が強すぎる人のほうがかかりやすい
のだ、なんて書くと、
  • だからと言って、「うつ病」になりにくい人がすべて無責任な人ということもないだろう?
という言葉を期待する人も多いだろう。しかしねここはその期待を裏切る。
  • 「うつ病」になりにくい人は、無責任な人とか、デリカシーがない人とか、何事にも大雑把な人で、面の皮が厚い人だ!
と書いておこう。

自分の人生の中で、数人、パワハラ上司がいた。光久君(仮名)とか、良人君(仮名)とか、正良君(仮名)とか。多分、その人達は、

  • 「少々怒鳴った程度で体調を崩すはずがない」
  • 「少々怒鳴った程度で体調を崩す奴はうちの会社には要らない」
ぐらい考えていたと思う。まあ、中にはハッキリと、
  • (書かないよ!)
と、言った人もいたぐらいで・・・・。

■▼▼−▲▼姐さん、危険だな・・・。

初出日 02 Nov 2007
最終更新日 02 Nov 2007


 

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