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このLinux講座をお引き受けする直前、同じ教育担当部署のRHCE講座を担当しているT先生が一度だけLinux講座を受け持ちました。この教室ではそのときに初めてRedHat 7.0を導入しました。T先生は講師機にも7.0をインストールしたのですが、rootのパスワードを今までのものとは異なるものに変更しました。そして、変更後のパスワードを同じ部署のほかの先生やスタッフには知らせなかったのです。

いままでは、この教室ではWindowsでもLinuxでもどのOSでもパスワードはすべて共通で運用してきました。受講生機と講師機でパスワードが一緒とは脆弱な環境という批判もあるでしょうが、各人が勝手に変更する前に部署内での討議が必要と考えます。それを経ない限りは脆弱な環境でも変更はしてはまずいでしょう。本来は一部のOSのみを変更すると他のシステムとの整合性が取れませんから、変更には十分な議論の上すべてのOSで変更すべきです。それが運用です。好きにしていいということは、他のスタッフが使用できなくてもよいということではないと考えます。それでも今までの習慣・運用ルールを破ってパスワード変更する場合には、スタッフにはその結果を周知をすべきでしょう。しかし、T先生はどなたにも変更後のパスワードを知らせませんでした。ついうっかりなのか、わざとなのか。スタッフに周知しなかったら判るわけ無いだろ判っていないんですね。
※ 後に訊いたら「好きにしていいと言われていたから。」だそうです。全体最適を考慮できず部分最適しか考えられないのにエンジニアとかテクニカルトレーナーとは困ったもんです。

RedHat 7.0を利用して講義する日がきました。まずは一日だけ準備日を設けました。準備担当は私です。インストールCDのNo1をコピーしたメディアだけはありましたので、それを使用して受講生機に7.0をインストールします。
※ CD1のみを使用して「カスタム」構成を選択し、GCCなどの言語・開発系をすべてチェックアウトすると、CD1のみで一応インストールできます。CD2を要求されません。しかし、ソースをダウンロードしてコンパイルは出来ません。GCCなどの言語・開発系がありませんから。これで四日目のApacheはできません。

でも、そこまでの操作はできました。問題は次です。パスワードが普段と異なり講師機にログインできません。講座4科目のテキストを検証できません。パスワードは何なのでしょう?私はテレパシー読心術といった超能力は使えませんので、現在の講師機のパスワードがわかりません。

次善の策として講師機の再インストールを考えました。再インストールならばパスワードも再設定できますから。そこでインストールCD-ROMを探しました。CD2が必要です。O部門長とKリーダーがRedHat 7.0の導入を決めて通知してきたのですから、当然インストールCD-ROMは所有しているはず、と思っていました。教育担当部署のアシスタントの女性に訊いてもわかりませんという。しかも「何で私が把握していなきゃならないの?」と怒ってます。O部門長もT先生もいません。さぁて、どうしましょう?交差点を渡った先のショッピングモール内に紀伊国屋書店がありますから、そこで自費で購入しなければならないのでしょうか?それは避けたいです。

結局、丸一日用意した準備日は無駄になりました。そしてこの日以降、本番日まで教室の空く日(今日出来なかったことをする時間)は無かったのです。夕方になりT先生が見え、インストールCDの在り処を訊くと、
 「自分の個人所有物は持っているけど会社のは知らない。」
ということです。「もしかすると多分購入していない?。」という考えが頭の中をかすめました。後に確認するとその通りでした。どなたも購入していません。しかもそのことをどなたも気づいていません。さらにT先生はパスワードを自分しか知らない・どなたにも教えていないで出かけてしまったという事がどんなことを引き起こしているかご存知ないのです。しかし、O部門長もKリーダーもT先生もアシスタントの女性も、同じ教育担当部署の方々全員がこの状況が理解していませんでした。そしてとても怖いことが起こりました。

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最終更新日 08 SEP 2003


 

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